リムスキー=コルサコフ 「スペイン奇想曲」2

たいこ叩きのリムスキー=コルサコフ 「スペイン奇想曲」名盤試聴記

レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック

バーンスタイン★★★★
アルボラーダ、とてもゆっくりとしたテンポで清涼感があって丁寧な演奏です。

変奏曲、細い響きのホルン。テンポの動きもあって良く歌う弦。イングリッシュホルンの合間に入るホルンがとても思い切り良く入ります。

アルボラーダ、ゆっくりと木管やトランペットがはっきりと演奏します。いろんな楽器の動きがとても良く分かります。キャラキャラと鳴る木管やポコポコと響くホルン。ヴァイオリンのソロにミスがあったようです。最後はテンポを速めて終わりました。

シェーナとジプシーの歌、アメリカのオケらしく鋭く鳴るトランペット。たっぷりとした演奏のヴァイオリンのソロ。速く素っ気無いフルートのソロ。ソロが終わると速いテンポの演奏になりました。

アストゥリア地方のファンダンゴ、テンポが良く動きますが、テンポが速くなった時にちょっと雑な面が顔を出します。最後にテンポを速めた部分はなかなかの迫力でした。

テンポがとても良く動く演奏で、ゆっくり丁寧な部分と、速いテンポで雑になるところもありました。表現も濃厚な表現と素っ気無い部分も共存しています。とても魅力的な部分とちょっと・・・と感じる部分がありました。
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マリス・ヤンソンス/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

ヤンソンス★★★★
アルボラーダ、あまりエッジが立っていない柔らかくまろやかな演奏です。クラリネットは強弱の変化のあるソロでした。落ち着いたヴァイオリンのソロ。

変奏曲、明るく豊かなホルン。静かににじみ出るような歌の弦。大きな表現はありませんが、さりげない歌のある演奏です。

アルボラーダ、小物打楽器はあまり目立たず賑やかな雰囲気はあまりありません。はっきりとリズムを刻むトランペット。滑らかなヴァイオリンのソロ。

シェーナとジプシーの歌、明るく鋭いトランペット。少し枯れたヴァイオリンのソロ。さらりと演奏されるフルート。豊かな表情のクラリネット。間接音を含んで豊かに響くハープ。マットで艶やかさがあまり無い弦。

アストゥリア地方のファンダンゴ、色彩感はあまり濃厚ではありません。トゥッティの盛り上がりはかなりのものです。最後のテンポの追い込みも見事でした。

テンポの動きはとても良い演奏でした。表現も程よく付けられた演奏でしたが、マットな弦に象徴されるような色彩感があまり無い感じがとても残念でした。
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エミール・タバコフ/富川フィルハーモニック管弦楽団

タバコフ★★★★
アルボラーダ、賑やかで華やかです。クラリネットのソロも表情たっぷりです。

変奏曲、明るく美しいホルン。弦の呼吸が浅い感じがして息苦しく感じます。

アルボラーダ、韓国の地方オケなのかも知れませんが、なかなか良い演奏をしています。

シェーナとジプシーの歌、トランペットも良い音でした。ヴァイオリンのソロはちょっと丁寧過ぎるか?オーボエのソロも豊かな表現でした。分厚い響きとダイナミックさはあまりありません。

アストゥリア地方のファンダンゴ、色彩感も豊かですが、打楽器のアンサンブルの乱れとヴァイオリンが安っぽい響きなのが、僅かに気になります。

厚みやダイナミックさはありませんでしたが、色彩感も豊かで、表情もそこそこある良い演奏でした。
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ユーリ・シモノフ/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

シモノフ★★★☆
アルボラーダ、とてもゆっくりとしたテンポであまり賑やかな雰囲気では無く、落ち着いた感じです。さりげないヴァイオリンのソロ。

変奏曲、奥行き感のあるホルン。ここでもとても静かな演奏をしています。

アルボラーダ、やはり遅いテンポで賑やかな色彩感では無く、渋い表現の演奏です。

シェーナとジプシーの歌、ねばりのあるトランペット。フルートのソロはたっぷりとしたタメのある豊かな表現でした。

アストゥリア地方のファンダンゴ、とにかくゆっくりです。最後はテンポを速めて終わりましたが、終始渋い色彩で、躍動感も感じませんでした。

終始遅いテンポで、賑やかさは無く、渋い色彩感の演奏でした。躍動感などもほとんど感じませんでしたが、不思議と悪い演奏には感じませんでした。
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アンドレ・クリュイタンス/フィルハーモニア管弦楽団

icon★★★
アルボラーダ、落ち着いた響きの中から滑らかなクラリネット、あまり艶のないヴァイオリン。

変奏曲、ゆったりとしたテンポで細身のホルン。ヴァイオリンがマットな響きで作品の華やかさとは異質な感じがします。

アルボラーダ、小物打楽器があまり前面に出てこないので、賑やかな感じではありません。滑るようなクラリネット。

シェーナとジプシーの歌、スネアが緩いスネアドラムのロール。軍楽隊の太鼓のような雰囲気です。コルネットのように柔らかいファンファーレ。録音が時々歪むところがあります。

アストゥリア地方のファンダンゴ、スパニッシュカスタネットが切れの良い音を響かせます。終わり少し手前のアッチェレランドにはゾクッとさせられました。

特にオケの名人芸のような部分も無く、なんとなく終わりました。これもクリュイタンスのセンスの良さか?

ポール・パレー/デトロイト交響楽団

パレー★★★
アルボラーダ、物凄く速いテンポの演奏ですが、きっちりと演奏されています。

変奏曲、速いテンポで縮こまったようなホルン。とてもあっさりとしています。

アルボラーダ、このテンポでも雑にならないのはさすがです。

シェーナとジプシーの歌、少しギザギサするスネア。ヴァイオリンのソロはテンポを落としてたっぷとりした表現です。ソロが終わると独特の間のある弦の演奏ですが、これはちょっと違和感のある間で、流れが失われます。

アストゥリア地方のファンダンゴ、最後は物凄いアッチェレランドで終わりました。

基本的には凄く速いテンポで一気に演奏したものでした。オケの精度も高くパレーのオーケストラ・ビルダーとしての能力の高さを感じさせる演奏でした。シェーナとジプシーの歌での弦の間には少し違和感を感じました。
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ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス/デンマーク放送交響楽団

ブルゴス★★☆
アルボラーダ、締りがあってシャープな演奏です。小物打楽器も賑やかです。豊かな表情のクラリネット。

変奏曲、引き締まって美しいアンサンブルを聞かせるホルン。穏やかで動きのあまり無い演奏です。

アルボラーダ、僅かに重い感じで躍動感があまりありません。最後はテンポを落としました。

シェーナとジプシーの歌、ちょっとギザギサのスネア。速いヴァイオリンのソロ。もっとたっぷのと聞かせても良いような気もしますが・・・・・。テンポも少し遅めなのですが、時間がとても長く感じます。

アストゥリア地方のファンダンゴ、とても時間がゆっくりと流れるような感じです。最後はテンポを速めて終わりました。

あまり動きが活発では無く、時間がゆっくりと流れるような感じでした。色彩感もあまり感じることは無く、華やかさもあまり感じませんでした。
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ロリン・マゼール/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

マゼール★★
アルボラーダ、とても元気な演奏です。クラリネットのソロも愛嬌がある表現です。ヴァイオリンのソロは控えめです。

変奏曲、美しいホルン。少しザラつくヴァイオリン。弦のトレモロが波打つようです。on、offがはっきりとした演奏です。明快に強弱の変化を付けて演奏します。

アルボラーダ、小物打楽器はあまり聞こえず、クラリネットのバランスが強いです。さりげなく上手いヴァイオリンの艶やかなソロ。

シェーナとジプシーの歌、オープンロールで粒がはっきりとしたスネア。近くで演奏しているようなトランペット。ソロはどれもさすがにベルリンpoです。ソロの後は速いテンポであまり落ち着きがありません。ちょっと慌ただしく雑にも感じます。

アストゥリア地方のファンダンゴ、オケとスパニッシュ・カスタネットがずれます。速いテンポをさらに速くして終わります。

華やかな感じよりも、かなり速いテンポの力技のような感じの演奏でした。テンポが速いために雑に聞こえる部分もありました。
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Ayyub Guliyev/サフォノフフィルハーモニー管弦楽団

Guliyev★☆
アルボラーダ、フワーッと広がる響きです。豊かな残響を伴って滑らかなクラリネット。ヴァイオリンのソロもオフぎみで美しく響きます。

変奏曲、ホルンも雄大に響きます。

アルボラーダ、オフぎみの録音なので音の芯があまり感じられません。最後はアッチェレランドして激しくティンパニがクレッシェンドしました。

シェーナとジプシーの歌、トランペットもフワーッとしています。ヴァイオリンのソロはゆっくりと濃い表現です。オーボエのソロは少し安定感がありませんでした。この録音もカメラのマイクで録っているようで、シンバルが近く、コントラバスが遠いので、厚みがありません。

アストゥリア地方のファンダンゴ、カスタネットがあわてます。最後は猛烈なアッチェレランドで終わりました。

かなりオフマイクでの録音で、フワーッとした広がりのある演奏でしたが、、その分音の芯の無い演奏でもありました。アンサンブルの乱れやソロの不安定な部分もありました。
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アラン・ロンバール/ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団

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アルボラーダ、速いテンポで打楽器が賑やかですが、打楽器が抜けると寂しい感じです。

変奏曲、細い音のホルンが寂しげです。響きが浅く表情も淡白でそっけない演奏です。後半はテンポを上げて弦がスタッカートぎみに演奏する部分もありました。

アルボラーダ、音が集まってこなくて散漫です。

シェーナとジプシーの歌、ファンファーレの響きにも明るさがなく寂しい響きでした。ヴァイオリンのソロもマットで艶やかさがありません。濃厚でエネルギッシュな音楽ではなく、つや消しで華やかさがありません。

アストゥリア地方のファンダンゴ、カスタネットはとても上手い。スペインの明るい色彩よりも哀愁さえ感じる演奏は何なんだろう。弱弱しいトランペット。終わりに向けてアッチェレランドして盛り上げますが、全体を支配する暗い響きはいかんともしがたい。

アーサー・フィードラー/ボストン・ポップス・オーケストラ

フィードラー
アルボラーダ、柔らかくマイルドな響きです。滑らかなクラリネット。マイルドな響きの分、色彩感はあまり濃厚ではありません。

変奏曲、深みがあって美しいホルン。霞がかかったようで、ヴァイオリンのハッとさせるような鮮明な響きはありません。

アルボラーダ、マイルドな響きの分一体になったまとまりはあります。ヴァイオリンのソロも鮮明に浮かび上がることはありません。

シェーナとジプシーの歌、少し距離があるようなトランペット。カーテンの向こう側で演奏しているようなヴァイオリンのソロ。一つ一つのソロを強調したような録音ではありませんが、さりげなく上手いです。

アストゥリア地方のファンダンゴ、高音域のレベルが落ちているようで、カスタネットの音も立っていません。モノトーンのような色彩感の無い演奏になっています。最後のテンポの加速も僅かでした。

マイルドでモノトーンのような色彩感の乏しい演奏でした。録音による問題だと思いますが、作品の華やかさは全く伝わって来ませんでした。
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ウラディミール・フェドセーエフ/モスクワ放送交響楽団

フェドセーエフ
アルボラーダ、かなり混濁した録音です。キンキンと共鳴するクラリネット。歪も多いです。

変奏曲、美しいようにも感じますが、歪んでいるホルン。

アルボラーダ、ベターっとしていて、あまり弾まないヴァイオリンのソロ。

シェーナとジプシーの歌、かなり騒々しいスネア。かなり粘るヴァイオリンのソロ。長く尾を引くシンバル。周波数特性のどこかにかなり鋭いピークがあるようです。フルートもキンキンと鳴ります。

アストゥリア地方のファンダンゴ、録音が酷くて演奏の特徴などはほとんど分かりませんでした。最後もテンポを速めずに終わりました。

フェドセーエフの演奏を期待して聞いたのですが、録音が酷くて何がどうなっているのか全く分かりませんでした。
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エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団

アンセルメ
アルボラーダ、録音レベルが低く、意外と薄い響きです。小物打楽器は賑やかですが、響き自体が寂しいです。暖かいヴァイオリンのソロ。

変奏曲、奥行き感のあるホルン。暖かい弦。あまり粘っこく歌わないイングリッシュ・ホルン。後半は少しテンポが速くなります。

アルボラーダ、響きは暖かいのですが、厚みが無く寂しいです。

シェーナとジプシーの歌、明るく華やかなトランペット。ヴァイオリンのソロも隙間があるように密度が薄いです。木管のソロはいずれもテンポが速く素っ気ない感じでした。こんなにシンプルだったっけ?と思わせる程音が少ないです。

アストゥリア地方のファンダンゴ、とにかく寂しい薄い響きで、悲しくなるような演奏です。全体が盛り上がらないところでむなしく響く金管。

とにかく寂しくて薄い響きでした。作品の華やかなイメージとはかけ離れた演奏で、聞いていて悲しくなってしまいました。最後も盛り上がらないところにむなしく響く金管にやりきれない思いがありました。
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カレル・マーク・チチョン/ラトヴィア国立交響楽団

チチョン
アルボラーダ、低音が歪んでいます。

変奏曲、ホルンも歪んでいて聞き取りにくいです。ゆっくりと歌うイングリッシュ・ホルン。歪みはかなりひどいです。

アルボラーダ、ヴァイオリンのソロとオケのアンサンブルが僅かにズレる部分もありました。

シェーナとジプシーの歌、エッジの立ったヴァイオリンのソロ。歪みっぽくて荒れた響きで、美しくありません。

アストゥリア地方のファンダンゴ、ヴァイオリンのソロとフルートのアンサンブルも合いません。

歪みがひどくて、全く美しさはありませんでした。アンサンブルの乱れも少しあって良い部分は全く感じませんでした。
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投稿者: koji shimizu

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