カテゴリー: リムスキー=コルサコフ:スペイン「奇想曲」名盤試聴記

リムスキー=コルサコフ スペイン「奇想曲」

リムスキー=コルサコフの「スペイン奇想曲」は、スペインの様々な音楽様式を巧みに織り交ぜた、華やかで情熱的な作品です。

どんな曲?

  • スペインの音楽風景を巡る旅: フラメンコの情熱、闘牛の興奮、街の賑わいなど、スペインの様々な音楽要素が鮮やかに描かれています。
  • 多彩な楽器の共演: ヴァイオリン、フルート、トランペットなど、様々な楽器がソロを演奏し、それぞれの個性を際立たせています。
  • リズム感あふれる音楽: リズムが非常に特徴的で、聴いていると自然と体が動き出すような、躍動感あふれる音楽です。
  • 各楽章が異なる性格: 各楽章がそれぞれ異なる雰囲気を持っており、まるでスペインの様々な都市を巡っているような感覚を味わえます。

たいこ叩きのリムスキー=コルサコフ 「スペイン奇想曲」名盤試聴記

シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団

icon★★★★★
アルボラーダ、小物打楽器が賑やかですが、響きは整然としていて、とても落ち着きがあります。クラリネットのソロもとても美しい。ヴァイオリンのソロも繊細な感じです。

変奏曲、遠くから響くようなホルンが心地良い雰囲気です。とても美しい音楽です。熱狂するような音楽ではなく、清涼感さえある演奏です。

アルボラーダ、スネアドラムさえも美しい。トゥッティでもガツンと音が届くことは無く、とても冷静です。

シェーナとジプシーの歌、粒の揃ったスネアのロール。繊細なヴァイオリン・ソロ。フルートのソロも極上です。どのソロも見事!とても透明感が高く、全てを見通せるような感じさえします。

アストゥリア地方のファンダンゴ、遠くで響くスパニッシュカスタネット。艶やかなヴァイオリン。強奏部分のエネルギー感には乏しいのですが、これだけ美しい演奏を聴かせてくれれば満足です。

ダニエル・バレンボイム/シカゴ交響楽団

バレンボイム スペイン奇想曲★★★★★
アルボラーダ、ゆったりとしたテンポで、ものすごいエネルギー感です。小物打楽器は控え目ですが、十分に賑やかな雰囲気はあります。トランペットも絶妙なバランスで存在をアピールします。弓を弾ませるヴァイオリン。

変奏曲、ホールの響きを伴って豊かに鳴るホルン。濃厚な色彩感です。椅子が軋む音がします。

アルボラーダ、トランペットが気持ちよく鳴ります。ヴァイオリンのソロが少し早くなります。艶やかなヴァイオリンと滑らかなクラリネット。最後のテュッティは深い響きでした。

シェーナとジプシーの歌、シングルストロークでロールをしているのではないだろうか?それともオープンロールか?すごい技術です。輝かしいトランペットのファンファーレ。激しいヴァイオリン・ソロ。ハープの低音もリアルで音が立っています。金管も存在感があり、とても厚みがあります。

アストゥリア地方のファンダンゴ、ゆったりとしたテンポで丁寧に描かれます。リムスキー=コルサコフの色彩感豊かなオーケストレーションを見事に表現しています。

シカゴsoのパワーを遺憾なく発揮したすごい演奏でした。特に金管の活躍はすばらしかった。

ユージン・オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団

オーマンディ★★★★★
アルボラーダ、きりっと立った音で、一音一音がしっかりと分離して聞こえます。ゆっくり目のテンポでとても丁寧に演奏されています。

変奏曲、締まったホルン。録音のせいもあると思いますが、曖昧さの全く無い演奏で、透明感がありとても見通しの良い演奏です。

アルボラーダ、とても艶やかなヴァイオリンのソロ。小物打楽器は控えめです。

シェーナとジプシーの歌、遅めのテンポで技術を見せ付けるようなヴァイオリンのソロ。陰影のあるクラリネット。豊かな表情のオーボエ。シカゴsoのキンキラキンの響きとは違い柔らかくまろやかです。

アストゥリア地方のファンダンゴ、生き生きと動く木管。全く力みも無く軽々と演奏する高い技術に脱帽です。

ゆったりとしたテンポで透明感が高く、柔らかく軽々と高い技術を見せ付ける演奏で、華やかさはありませんでしたが、中身の濃い演奏でした。
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ズービン・メータ/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

メータ★★★★★
アルボラーダ、ゆったりとしたテンポで華やかです。クラリネットも余裕たっぷりに優雅なソロです。ヴァイオリンのソロも見事です。

変奏曲、たっぷりと深みのある弦。とてもゆっくりと朗々と歌うホルン。今まで聞いたことの無い表現で、音楽に身をゆだねることが出来ます。イングリッシュ・ホルンも深みのある歌です。野外コンサートなので、堅苦しくならずに伸び伸びと演奏しているのが、良い方向に作用しているような感じがします。

アルボラーダ、小物打楽器はあまり聞こえませんがスネアは大きめです。ヴァイオリンのソロが何事も無いように演奏しています。最後はティンパニの強打がありました。

シェーナとジプシーの歌、カチッとした響きのトランペット最後の高音は突き抜けて来ます。寄れ動くように歌うヴァイオリンのソロ。とのソロも見事です。ベルリンpoが楽しく乗って演奏しています。

アストゥリア地方のファンダンゴ、理屈抜きに楽しく伸び伸びとした演奏です。表現もとても積極的で、開放感に溢れた演奏です。最後の加速も興奮を煽るように効果的なものでした。

野外コンサートの開放感からも来るのでしょうが、とても伸び伸びと遠慮なく表現した演奏で、ベルリンpoもノリノリでした。大きな表現にもわざとらしさが無く、終演後の歓声も納得の演奏でした。
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ディエゴ・マテウス/スイス・ロマンド管弦楽団

マテウス★★★★★
アルボラーダ、豊かで暖かみがあり華やかです。小物打楽器もしっかりと聞こえます。

変奏曲、とてもゆっくりとしたテンポで訴えるようにホルンが深く歌います。続く弦も息遣いのような振幅のある演奏です。柔らかくしみじみとしたイングリッシュ・ホルン。一つ一つの楽器がくっきりと浮かびあがって、とても濃厚な色彩感です。

アルボラーダ、艶やかで生き生きとしたヴァイオリンのソロ。

シェーナとジプシーの歌、クローズドロールのスネア。くっきりと浮かび上がるフルート。

アストゥリア地方のファンダンゴ、カスタネットの粒もはっきりと聞き取れます。一時期低迷したスイス・ロマンドoですが、この演奏を聞くと全盛期の実力を取り戻しつつあるように感じます。

美しく、くっきりと明確な色彩感で華やかな演奏でした。息遣いのある生き生きとした演奏は素晴らしかったです。
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キリル・コンドラシン/RCAビクター交響楽団

icon★★★★☆
アルボラーダ、小物打楽器が賑やかで、華やかな雰囲気です。

変奏曲、細く締まった音のホルンです。サーッと言うヒスノイズがかなり気になります。ダイナミックに強弱の変化があり生き生きとした表情の演奏です。録音は古いですが、色彩感豊かで良い演奏です。

アルボラーダ、賑やかな冒頭の後のヴァイオリン・ソロは艶やかな音色でした。

シェーナとジプシーの歌、強いアクセントで入ったスネアのロール。トランペットらしい音色のファンファーレ。すごく感情を込めたヴァイオリン・ソロ。メリハリがあって、聞いていて飽きません。ハープのソロの後はすごく速いテンポでアンサンブルもバラバラになりますが、かまわずに突っ走ります。さらにテンポを上げます。

アストゥリア地方のファンダンゴ、少しritして入りました。音楽がとても濃厚で、聴き応えがあります。テンポの変化もこの曲にはピッタリです。

コンドラシンが表現しようとした音楽はすばらしいのですが、オケが付いて行けないところが少し残念でしたが、オケが乱れてもなりふり構わず突き進むところも面白みがあって良かったです。

アンタル・ドラティ/ロンドン交響楽団

ドラティ★★★★☆
アルボラーダ、速いテンポで小物打楽器も賑やかです。滑らかなクラリネット。とても楽しそうです。太いヴァイオリンのソロ。

変奏曲、少し細身のホルン。豊かに歌うイングリッシュホルン。合いの手に入るホルンも大きく答えます。速いテンポでサクサクと進みます。デットな録音なのか、ヴァイオリンが少しキツく聞こえます。

アルボラーダ、躍動感のあるヴァイオリンのソロ。

シェーナとジプシーの歌、深い胴のスネアでクローズドロールで演奏しています。歯切れの良いトランペット。太くマットなヴァイオリンのソロ。フルートとクラリネットのソロは速いテンポであっさりと進みます。ハープはすごく強調されています。テンポが速いので、踊るような躍動感があります。

アストゥリア地方のファンダンゴ、控えめなカスタネット。最後の盛り上がりも十分で、加速して終わりました。

最初のアルボラーダから賑やかで華やかな演奏で、テンポも速いので躍動感もあって、良い演奏でしたが、録音がデッドなのかヴァイオリンがキツい部分もありました。
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キム・ボンミ/コリア・ソロイスツ・オーケストラ

キム★★★★☆
アルボラーダ、奥行き感のある美しい響き。華やかさも十分あれます。

変奏曲、ビブラートをかけているような感じで細身のホルン。まろやかで柔らかいイングリッシュ・ホルン。

アルボラーダ、あまり弾まないヴァイオリンのソロ。

シェーナとジプシーの歌、くすんだ響きのトランペット、若干アンサンブルの乱れがあります。ゆっくりと演奏されるヴァイオリンのソロですが、激しく叩きつけるような弓使いではありません。とても丁寧です。

アストゥリア地方のファンダンゴ、カスタネットのリズムに乗る演奏です。強い色彩感はありませんが、雰囲気のある演奏です。最後は凄いアッチェレランドで終わりました。

強い色彩感はありませんでしたが、華やかさや雰囲気を感じさせる演奏で、女性らしい丁寧な演奏にも好感が持てました。
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Maxim Eshkenazy/クラシックFMオーケストラ

Eshkenazy★★★★☆
アルボラーダ、鮮明な響きではありませんが、厚みはあります。小物打楽器も賑やかです。ヴァイオリンのソロはあまりダイナミックではありません。

変奏曲、ゆっくりとしたテンポで歌う弦。色彩感も十分にあります。

アルボラーダ、ここでも賑やかな演奏です。

シェーナとジプシーの歌、ゆっくりとしたトランペットのファンファーレ。あまり粘りが無くあっさりとしたヴァイオリンのソロ。フルートのソロはあまり鳴りが良くない感じです。強弱の変化が少し緩い感じがします。

アストゥリア地方のファンダンゴ、奥行き感もあって良い演奏です。流れるような演奏で、ひっかかるところがありません。最後の加速もまあまあでした。

聞いたことの無いオケと指揮者だったので、期待せずに聞きましたがなかなか良い演奏でした。割となだらかに変化する演奏でしたが、賑やかさや奥行き感もあり、良かったです。
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巨匠たちが残したクラシックの名盤を試聴したレビュー ・リムスキー=コルサコフ:「スペイン奇想曲」の名盤を試聴したレビュー

リムスキー=コルサコフ 「スペイン奇想曲」2

たいこ叩きのリムスキー=コルサコフ 「スペイン奇想曲」名盤試聴記

レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック

バーンスタイン★★★★
アルボラーダ、とてもゆっくりとしたテンポで清涼感があって丁寧な演奏です。

変奏曲、細い響きのホルン。テンポの動きもあって良く歌う弦。イングリッシュホルンの合間に入るホルンがとても思い切り良く入ります。

アルボラーダ、ゆっくりと木管やトランペットがはっきりと演奏します。いろんな楽器の動きがとても良く分かります。キャラキャラと鳴る木管やポコポコと響くホルン。ヴァイオリンのソロにミスがあったようです。最後はテンポを速めて終わりました。

シェーナとジプシーの歌、アメリカのオケらしく鋭く鳴るトランペット。たっぷりとした演奏のヴァイオリンのソロ。速く素っ気無いフルートのソロ。ソロが終わると速いテンポの演奏になりました。

アストゥリア地方のファンダンゴ、テンポが良く動きますが、テンポが速くなった時にちょっと雑な面が顔を出します。最後にテンポを速めた部分はなかなかの迫力でした。

テンポがとても良く動く演奏で、ゆっくり丁寧な部分と、速いテンポで雑になるところもありました。表現も濃厚な表現と素っ気無い部分も共存しています。とても魅力的な部分とちょっと・・・と感じる部分がありました。
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マリス・ヤンソンス/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

ヤンソンス★★★★
アルボラーダ、あまりエッジが立っていない柔らかくまろやかな演奏です。クラリネットは強弱の変化のあるソロでした。落ち着いたヴァイオリンのソロ。

変奏曲、明るく豊かなホルン。静かににじみ出るような歌の弦。大きな表現はありませんが、さりげない歌のある演奏です。

アルボラーダ、小物打楽器はあまり目立たず賑やかな雰囲気はあまりありません。はっきりとリズムを刻むトランペット。滑らかなヴァイオリンのソロ。

シェーナとジプシーの歌、明るく鋭いトランペット。少し枯れたヴァイオリンのソロ。さらりと演奏されるフルート。豊かな表情のクラリネット。間接音を含んで豊かに響くハープ。マットで艶やかさがあまり無い弦。

アストゥリア地方のファンダンゴ、色彩感はあまり濃厚ではありません。トゥッティの盛り上がりはかなりのものです。最後のテンポの追い込みも見事でした。

テンポの動きはとても良い演奏でした。表現も程よく付けられた演奏でしたが、マットな弦に象徴されるような色彩感があまり無い感じがとても残念でした。
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エミール・タバコフ/富川フィルハーモニック管弦楽団

タバコフ★★★★
アルボラーダ、賑やかで華やかです。クラリネットのソロも表情たっぷりです。

変奏曲、明るく美しいホルン。弦の呼吸が浅い感じがして息苦しく感じます。

アルボラーダ、韓国の地方オケなのかも知れませんが、なかなか良い演奏をしています。

シェーナとジプシーの歌、トランペットも良い音でした。ヴァイオリンのソロはちょっと丁寧過ぎるか?オーボエのソロも豊かな表現でした。分厚い響きとダイナミックさはあまりありません。

アストゥリア地方のファンダンゴ、色彩感も豊かですが、打楽器のアンサンブルの乱れとヴァイオリンが安っぽい響きなのが、僅かに気になります。

厚みやダイナミックさはありませんでしたが、色彩感も豊かで、表情もそこそこある良い演奏でした。
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ユーリ・シモノフ/モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

シモノフ★★★☆
アルボラーダ、とてもゆっくりとしたテンポであまり賑やかな雰囲気では無く、落ち着いた感じです。さりげないヴァイオリンのソロ。

変奏曲、奥行き感のあるホルン。ここでもとても静かな演奏をしています。

アルボラーダ、やはり遅いテンポで賑やかな色彩感では無く、渋い表現の演奏です。

シェーナとジプシーの歌、ねばりのあるトランペット。フルートのソロはたっぷりとしたタメのある豊かな表現でした。

アストゥリア地方のファンダンゴ、とにかくゆっくりです。最後はテンポを速めて終わりましたが、終始渋い色彩で、躍動感も感じませんでした。

終始遅いテンポで、賑やかさは無く、渋い色彩感の演奏でした。躍動感などもほとんど感じませんでしたが、不思議と悪い演奏には感じませんでした。
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アンドレ・クリュイタンス/フィルハーモニア管弦楽団

icon★★★
アルボラーダ、落ち着いた響きの中から滑らかなクラリネット、あまり艶のないヴァイオリン。

変奏曲、ゆったりとしたテンポで細身のホルン。ヴァイオリンがマットな響きで作品の華やかさとは異質な感じがします。

アルボラーダ、小物打楽器があまり前面に出てこないので、賑やかな感じではありません。滑るようなクラリネット。

シェーナとジプシーの歌、スネアが緩いスネアドラムのロール。軍楽隊の太鼓のような雰囲気です。コルネットのように柔らかいファンファーレ。録音が時々歪むところがあります。

アストゥリア地方のファンダンゴ、スパニッシュカスタネットが切れの良い音を響かせます。終わり少し手前のアッチェレランドにはゾクッとさせられました。

特にオケの名人芸のような部分も無く、なんとなく終わりました。これもクリュイタンスのセンスの良さか?

ポール・パレー/デトロイト交響楽団

パレー★★★
アルボラーダ、物凄く速いテンポの演奏ですが、きっちりと演奏されています。

変奏曲、速いテンポで縮こまったようなホルン。とてもあっさりとしています。

アルボラーダ、このテンポでも雑にならないのはさすがです。

シェーナとジプシーの歌、少しギザギサするスネア。ヴァイオリンのソロはテンポを落としてたっぷとりした表現です。ソロが終わると独特の間のある弦の演奏ですが、これはちょっと違和感のある間で、流れが失われます。

アストゥリア地方のファンダンゴ、最後は物凄いアッチェレランドで終わりました。

基本的には凄く速いテンポで一気に演奏したものでした。オケの精度も高くパレーのオーケストラ・ビルダーとしての能力の高さを感じさせる演奏でした。シェーナとジプシーの歌での弦の間には少し違和感を感じました。
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ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス/デンマーク放送交響楽団

ブルゴス★★☆
アルボラーダ、締りがあってシャープな演奏です。小物打楽器も賑やかです。豊かな表情のクラリネット。

変奏曲、引き締まって美しいアンサンブルを聞かせるホルン。穏やかで動きのあまり無い演奏です。

アルボラーダ、僅かに重い感じで躍動感があまりありません。最後はテンポを落としました。

シェーナとジプシーの歌、ちょっとギザギサのスネア。速いヴァイオリンのソロ。もっとたっぷのと聞かせても良いような気もしますが・・・・・。テンポも少し遅めなのですが、時間がとても長く感じます。

アストゥリア地方のファンダンゴ、とても時間がゆっくりと流れるような感じです。最後はテンポを速めて終わりました。

あまり動きが活発では無く、時間がゆっくりと流れるような感じでした。色彩感もあまり感じることは無く、華やかさもあまり感じませんでした。
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ロリン・マゼール/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

マゼール★★
アルボラーダ、とても元気な演奏です。クラリネットのソロも愛嬌がある表現です。ヴァイオリンのソロは控えめです。

変奏曲、美しいホルン。少しザラつくヴァイオリン。弦のトレモロが波打つようです。on、offがはっきりとした演奏です。明快に強弱の変化を付けて演奏します。

アルボラーダ、小物打楽器はあまり聞こえず、クラリネットのバランスが強いです。さりげなく上手いヴァイオリンの艶やかなソロ。

シェーナとジプシーの歌、オープンロールで粒がはっきりとしたスネア。近くで演奏しているようなトランペット。ソロはどれもさすがにベルリンpoです。ソロの後は速いテンポであまり落ち着きがありません。ちょっと慌ただしく雑にも感じます。

アストゥリア地方のファンダンゴ、オケとスパニッシュ・カスタネットがずれます。速いテンポをさらに速くして終わります。

華やかな感じよりも、かなり速いテンポの力技のような感じの演奏でした。テンポが速いために雑に聞こえる部分もありました。
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Ayyub Guliyev/サフォノフフィルハーモニー管弦楽団

Guliyev★☆
アルボラーダ、フワーッと広がる響きです。豊かな残響を伴って滑らかなクラリネット。ヴァイオリンのソロもオフぎみで美しく響きます。

変奏曲、ホルンも雄大に響きます。

アルボラーダ、オフぎみの録音なので音の芯があまり感じられません。最後はアッチェレランドして激しくティンパニがクレッシェンドしました。

シェーナとジプシーの歌、トランペットもフワーッとしています。ヴァイオリンのソロはゆっくりと濃い表現です。オーボエのソロは少し安定感がありませんでした。この録音もカメラのマイクで録っているようで、シンバルが近く、コントラバスが遠いので、厚みがありません。

アストゥリア地方のファンダンゴ、カスタネットがあわてます。最後は猛烈なアッチェレランドで終わりました。

かなりオフマイクでの録音で、フワーッとした広がりのある演奏でしたが、、その分音の芯の無い演奏でもありました。アンサンブルの乱れやソロの不安定な部分もありました。
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アラン・ロンバール/ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団

icon
アルボラーダ、速いテンポで打楽器が賑やかですが、打楽器が抜けると寂しい感じです。

変奏曲、細い音のホルンが寂しげです。響きが浅く表情も淡白でそっけない演奏です。後半はテンポを上げて弦がスタッカートぎみに演奏する部分もありました。

アルボラーダ、音が集まってこなくて散漫です。

シェーナとジプシーの歌、ファンファーレの響きにも明るさがなく寂しい響きでした。ヴァイオリンのソロもマットで艶やかさがありません。濃厚でエネルギッシュな音楽ではなく、つや消しで華やかさがありません。

アストゥリア地方のファンダンゴ、カスタネットはとても上手い。スペインの明るい色彩よりも哀愁さえ感じる演奏は何なんだろう。弱弱しいトランペット。終わりに向けてアッチェレランドして盛り上げますが、全体を支配する暗い響きはいかんともしがたい。

アーサー・フィードラー/ボストン・ポップス・オーケストラ

フィードラー
アルボラーダ、柔らかくマイルドな響きです。滑らかなクラリネット。マイルドな響きの分、色彩感はあまり濃厚ではありません。

変奏曲、深みがあって美しいホルン。霞がかかったようで、ヴァイオリンのハッとさせるような鮮明な響きはありません。

アルボラーダ、マイルドな響きの分一体になったまとまりはあります。ヴァイオリンのソロも鮮明に浮かび上がることはありません。

シェーナとジプシーの歌、少し距離があるようなトランペット。カーテンの向こう側で演奏しているようなヴァイオリンのソロ。一つ一つのソロを強調したような録音ではありませんが、さりげなく上手いです。

アストゥリア地方のファンダンゴ、高音域のレベルが落ちているようで、カスタネットの音も立っていません。モノトーンのような色彩感の無い演奏になっています。最後のテンポの加速も僅かでした。

マイルドでモノトーンのような色彩感の乏しい演奏でした。録音による問題だと思いますが、作品の華やかさは全く伝わって来ませんでした。
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ウラディミール・フェドセーエフ/モスクワ放送交響楽団

フェドセーエフ
アルボラーダ、かなり混濁した録音です。キンキンと共鳴するクラリネット。歪も多いです。

変奏曲、美しいようにも感じますが、歪んでいるホルン。

アルボラーダ、ベターっとしていて、あまり弾まないヴァイオリンのソロ。

シェーナとジプシーの歌、かなり騒々しいスネア。かなり粘るヴァイオリンのソロ。長く尾を引くシンバル。周波数特性のどこかにかなり鋭いピークがあるようです。フルートもキンキンと鳴ります。

アストゥリア地方のファンダンゴ、録音が酷くて演奏の特徴などはほとんど分かりませんでした。最後もテンポを速めずに終わりました。

フェドセーエフの演奏を期待して聞いたのですが、録音が酷くて何がどうなっているのか全く分かりませんでした。
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エルネスト・アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団

アンセルメ
アルボラーダ、録音レベルが低く、意外と薄い響きです。小物打楽器は賑やかですが、響き自体が寂しいです。暖かいヴァイオリンのソロ。

変奏曲、奥行き感のあるホルン。暖かい弦。あまり粘っこく歌わないイングリッシュ・ホルン。後半は少しテンポが速くなります。

アルボラーダ、響きは暖かいのですが、厚みが無く寂しいです。

シェーナとジプシーの歌、明るく華やかなトランペット。ヴァイオリンのソロも隙間があるように密度が薄いです。木管のソロはいずれもテンポが速く素っ気ない感じでした。こんなにシンプルだったっけ?と思わせる程音が少ないです。

アストゥリア地方のファンダンゴ、とにかく寂しい薄い響きで、悲しくなるような演奏です。全体が盛り上がらないところでむなしく響く金管。

とにかく寂しくて薄い響きでした。作品の華やかなイメージとはかけ離れた演奏で、聞いていて悲しくなってしまいました。最後も盛り上がらないところにむなしく響く金管にやりきれない思いがありました。
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カレル・マーク・チチョン/ラトヴィア国立交響楽団

チチョン
アルボラーダ、低音が歪んでいます。

変奏曲、ホルンも歪んでいて聞き取りにくいです。ゆっくりと歌うイングリッシュ・ホルン。歪みはかなりひどいです。

アルボラーダ、ヴァイオリンのソロとオケのアンサンブルが僅かにズレる部分もありました。

シェーナとジプシーの歌、エッジの立ったヴァイオリンのソロ。歪みっぽくて荒れた響きで、美しくありません。

アストゥリア地方のファンダンゴ、ヴァイオリンのソロとフルートのアンサンブルも合いません。

歪みがひどくて、全く美しさはありませんでした。アンサンブルの乱れも少しあって良い部分は全く感じませんでした。
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巨匠たちが残したクラシックの名盤を試聴したレビュー ・リムスキー=コルサコフ:「スペイン奇想曲」の名盤を試聴したレビュー